相続時精算課税制度の有効な活用方法

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相続時精算課税制度は基本的には節税対策として有効ではありませんが、場合によっては節税対策として活用できるケースもあります。そこでそのうち2つほど例をあげてみたいと思います。

 

■保有している利回りの良い賃貸物件の贈与

例えば年間500万円が手元に残るアパートやマンションを保有している場合、修繕費や空室リスクなどを考慮しなければ単純に20年間で1億円のキャッシュを得ることができます。これは結果的に相続財産として課税の対象となるのですが、この物件を相続時精算課税制度で贈与しておけばこの1億円に対する相続税は発生しないことになります。税率が30%だとしたら3千万円の軽減となります。

ここでのポイントはキャッシュを生み出す優良資産を贈与し、そこから得られる収入自体を最初から子や孫に移転させるという形をつくることです。

 

■将来的に値上がりするであろう資産の贈与

土地や株式など何が値上がりするのか分かっていれば苦労しませんが、例えば1千万円の不動産を贈与し、それが相続開始時点で3千万円まで価格が上昇していたとしても相続税の課税対象となるのは3千万円ではなく1千万円になります。ポイントとしては贈与時の価額が相続税の申告に反映される金額になるという点で、将来的な値上がりが期待できる資産であれば価格が上昇する前に贈与してしまうのも一つの方法です。

逆に現時点で3千万円のものを相続時精算課税で贈与し、相続開始時点で1千万円まで価格が下落していたとしても相続税の課税対象は3千万円になります。

 

このように相続時精算課税制度を使う前に様々なケースを検討しておくべきですし、それによって税金がどのように発生する可能性があるのかなど考えてから実行すべきでしょう。この制度を適用してしまえば後で取り消すことは出来ませんので、失敗しないためにも慎重な判断が必要です。

 

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執筆者:税理士 佐藤友一

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