【令和9年1月1日から適用予定】貸付用不動産の評価方法が変わります!
一般的に預金を評価する場合はほぼ額面どおりになりますが、不動産は市場価格より低く評価されることが多く、さらに他人に貸付するとその評価額をさらに下げることができます。
そのため、預金や有価証券といった財産を不動産に組み替えることで、将来の相続税を節税するというスキームがよく利用されてきましたが、令和4年に不動産の相続税評価額と市場価格の乖離が問題となった最高裁判決が出て以降、不動産の評価方法の見直しが進んでいます。
そして今回、貸付用不動産の評価方法について新たな通達案が発表されましたので記載します。
【通達案】貸付用不動産の評価方法
令和8年度税制改正大綱では貸付用不動産の相続税評価額と市場価格の乖離の実態を踏まえ評価方法の見直しが発表されました。
現在、貸付用不動産の評価は↓のように行われていますが、
土地:路線価・倍率を基に評価
建物:固定資産税評価額
※土地建物ともに上記から借地権割合や借家権割合を考慮した減額調整あり
今後は相続開始前5年以内に有償で取得・新築した貸付用不動産は↓のように評価方法が変更されます。
土地・建物:原則、通常の取引価額相当額
※取得価額が購入時の通常の取引価額相当額と認められる場合には、↓のようになります。
土地:取得価額×地価変動率×80%
建物:(取得価額―償却費の額の合計額)×80%
【通達案】不動産小口化商品の評価方法
不動産小口化商品も貸付用不動産の一種ですが、評価方法が異なりますので分けて記載します。
不動産小口化商品とは、特定の不動産を小口化し複数の投資家が購入・出資できる商品であり、いくつか種類があります。
今回は不動産特定共同事業契約(任意組合型)または信託受益権(信託受益権型)にかかる金融商品取引契約が適用対象です。
現在は↓のように評価されていますが、
土地…路線価を基に評価
建物…固定資産税評価額
今後は、取得時期に関わらず、↓の評価方法に変更されます。
土地・建物:※通常の取引価額相当額
※特定小口化商品の元本等相当額が適正な価格情報に基づくと認められる場合には、原則P1の金額、P2またはP3の金額が明らかであるときは、P1、P2またはP3の金額のうち最も低いものによって評価しても良い。
P1:元本等相当額の90%
P2:精通者意見価格
P3:不動産鑑定評価額の95%
このように、貸付用不動産の評価方法について新たな通達案が発表されましたが、一定の特例(収用・交換・買換え)を利用して取得した不動産や5年以上前から所有していた土地に新築した建物などは適用対象とならないケースもあります。
そのため、自身の所有する不動産が対象になるのか、まずは確認しておくことが大切です。
余談にはなりますが、取引相場のない株式(非上場株式)についても現在新たな評価方法が検討されています。
財産評価をする側としては、評価方法がシンプルになることを期待していますが、納税者にとってはこちらも厳しい内容になりそうです.