小規模企業共済の受取人

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個人事業主や法人役員の方にとっては聞き覚えがあるかもしれない「小規模企業共済」。将来退職金として受け取るための積立を行うと共に毎年の所得税や住民税の控除にもなるため、加入資格のある方は積極的に加入を検討された方がよい制度です。

この小規模企業共済の共済金(解約金)の受取方法はいくつか選択肢がありますが、通常は退職(事業廃止)の時に受け取るケースが多いと思われます。ただ、不動産賃貸業の方に多い感覚がありますが、事業廃止をすることなく亡くなるまで事業を継続していた場合、この共済金は自分への退職金ではなく相続人が受け取ることが出来る相続財産としての性質に変わることとなります。
相続税の節税として生命保険(「500万円×法定相続人の数」までの金額は非課税)の加入を検討された方はいらっしゃると思いますが、この小規模企業共済も生命保険とは別枠で非課税措置(生命保険金と同様に「500万円×法定相続人の数」まで)があるため、遺族へお金を残す目的としてもとても有効な制度であると考えられます。

ただし、押さえておいた方が良い論点が一つあります。
それは「共済金の受取人は自由に選択できるものではなく、法律で規定されている」という点です。生命保険金であれば「受取人を〇〇にする」というように契約することが出来ますが、小規模企業共済はそれが出来ないという事です。

具体的にですが、受取人の順位は第1順位者~第14順位者まで定められています。第1順位者は配偶者ですので、配偶者がいる場合は無条件でその配偶者が相続することになります。配偶者がいない場合、「主として契約者の収入によって生計を維持されていた子→父母→孫・・・」という順で第7順位まで定められており、その後「主として契約者の収入によって生計を維持されていなかった子→父母→孫・・・」という順で最終的には第14順位まで定められています。この順位の上位にいる人が共済金の受取人となります。

家族構成や生活スタイルも様々ですので、それが複雑になればなるほどこの共済金の受取人が誰になるのかという判断についても迷うことがあるかもしれません。遺言書を書くときに生命保険金やこの共済金の額も踏まえて遺産分割のバランスを考える方もいらっしゃいますが、そもそもの受取人判定が誤っていた場合はその遺言書も結果的にご自身の気持ちと異なることになりますので注意が必要ですね。

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執筆者:税理士 佐藤友一