相続で不動産を共有にするデメリット

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相続の相談を受けていると「兄弟姉妹で揉めたくないから法定相続分で相続します!」や「分けるのが面倒なので半分ずつにします!」などとおっしゃる方が少なくないです。

揉めないためにどうするかについてはここではお話しませんが、遺産分割協議で不動産がある場合はきれいに分けるのは難しい場合が多いため、上記のような発言をされる方が多いと感じています。

現金預貯金については、1円単位まできれいに分けることができますが、不動産はそう上手くはいきません。とはいえ、例えば一つの不動産を50%ずつ2人で相続するという様な共有分割というやり方があります。この手法だと、きれいに分けることができるので丸く収まると思いがちですが、以下のようなデメリットがあります。

①共有不動産を売却する場合
 売却前提で共有状態で相続したとしても、売却直前で共有者のどなたか一人が売却を拒否した場合や、売却前に認知症や事故・病気などで寝たきりになってしまうと売却をすることができず、ずっと共有状態で持ち続けることとなります。

②賃貸物件で確定申告が必要な場合
 共有物件の場合、収入も支出も常に共有割合で分けることになります。共有者全員が確定申告をしなくてはならず、また、共有割合で申告するためとても煩雑になります。

③共有不動産を持ち続ける場合
 例えば兄弟姉妹3人で共有し所有し続けるとした場合、その共有者が亡くなると、その共有分だけ相続されることとなります。仲のいい兄弟姉妹であれば何の問題もありませんが、将来的には相続を繰り返して甥姪同士やお孫さん同士で共有不動産を持つことになり、会ったこともない遠縁の親族同士で共有してしまう可能性がでてきます。ここまで来てしまうといざ売却する際には通常以上の手間や費用が掛かってしまいます。

上記のようなデメリットを理解したうえで遺産分割協議を進めると将来の不安を残すことなく相続することができると思います。
また、遺産分割協議をする際にはしっかりとした財産の把握が必要となります。

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執筆者:阿部 拓未

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