準確定申告が不要な場合

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相続の相談には、「相続税の申告も必要だけど準確定申告もしなければならないので合わせて申告してほしい」という方が多数いらっしゃいます。ただ、話を伺っていくと準確定申告をする必要はないという方も多くいらっしゃいます。ネット上には「亡くなってから4ヶ月以内に準確定申告をしなければならない」という言葉が見受けられるため、それで心配になる方がいらっしゃるのだと思います。

確定申告も準確定申告も所得税法において次のように定められています。
「その年分の所得金額の合計額が雑損控除その他の控除の額の合計額を超える場合、税務署長に対し申告書を提出しなければならない」。
法律用語をそのまま読んでいくと大変なので簡略化しましたが、結局のところ申告をしたとしても納付する所得税が0円であれば申告書を提出する必要はないのです。

多い例としては年金収入がある方ですが、年金は通常確定申告をしなくてもよいように所得税が源泉徴収されているため、確定申告によって追加で納付するというケースはあまりありません(年金額が年100万円ほどであれば源泉所得税が0円ということも多々あります)。

但し、「納付をする必要はないけれども還付を受けることができる」というケースも多いと思われます。上記年金も当てはまりますが、源泉徴収によって所得税を天引きされていたことにより確定申告書を提出すれば所得税が返ってくるというケースです。
この場合は所得税法において次のように定められています。
「源泉徴収された金額の還付を受けることができる場合、税務署長に対し申告書を提出することができる」。
これも文言を簡略化しましたが、還付を受ける場合は義務ではなく任意となります。

納税額が生じる場合は申告書を提出しなければなりませんが、納税額が0円の場合若しくは還付申告の場合は無理に申告書を提出する必要はありません。
申告書を提出することによって所得税が返ってくるのであればもちろん提出した方が良いですが、還付額が少ない場合はその手間と費用を考えてあえて申告書を提出しないという判断をされる方もいらっしゃいます。この場合は何ら法律違反にはなりませんのでご安心ください。

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執筆者:税理士 佐藤友一

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