時効について
相続税や贈与税の申告書提出や納税については、それぞれに応じて申告期限と納期限が設けられています。相続税は「相続開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内」に、贈与税については「贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日まで」に申告と納付をする必要があります
期限内に申告や納付をしなかった場合でも期限後申告として手続きをしなければなりませんが、それは自分が亡くなるまで一生つきまとうものなのでしょうか。
納税者が期限内に申告書を提出しない場合は税務署側において更正や決定をすることができますが、それは国税通則法において「国税の法定申告期限から5年を経過した日以後においてはすることができない」と定められています(一定の場合を除きます)。
相続税や所得税などは申告期限から5年を経過することでいわゆる時効を向かえることになりますが、贈与税については「贈与税の申告期限から6年を経過する日まですることができる」と別途定められています。
結果、相続税の時効は5年で贈与税の時効は6年という形になりますが、国税通則法において更に「偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れた場合は申告期限から7年を経過する日まで更正決定等をすることができる」と定められています。申告義務があることを知りながら申告をしていなかった人は基本的には7年の方に当てはまるという考えになります。
また、相続については死亡という事実が明確であるため時効の起算日は明確になりやすいですが、贈与の場合は少しやっかいです。それは本当に贈与があったのか?という事実を明確に示しづらいところにあります。例えば亡くなった親から1千万円をもらっていたとしても立証できるものがなければ借りていただけという考えもありえますし、その場合は贈与ではなく相続財産として取り扱うべきでは?という考えにもつながってしまいます。
贈与契約書をつくっておけばOKという単純なものではありませんし、本来申告納付すべきものをしていないことにより余計な争いに発展する可能性もあります。うっかりと申告をしていなかったという事はよくありますが、やはり納めるものはきちんと納めておくことが大事ですね。
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執筆者:税理士 佐藤友一