贈与税の配偶者控除

  • 相続ブログ

贈与税の配偶者控除

 

「相続税対策として何かできないでしょうか?」という質問を受けることがあります。

ネットの中には色々な情報がありますのでそこで調べられる方も多いと思いますが、「贈与税の配偶者控除という制度を使えば相続税の節税になるのですか?」という質問を受けることもあります。

 

贈与税の配偶者控除とは一定の要件を満たした場合に最大2,000万円までの贈与について非課税とするもので、その概要は下記のようになっています。

・婚姻期間が20年以上の夫婦間における贈与

・居住用不動産若しくは居住用不動産を取得するための金銭の贈与が対象

・基礎控除の110万円はこの2,000万円とは別枠で控除できる

 

2,000万円の非課税枠は魅力的ですし、自宅を配偶者に贈与することによって相続税を算出するときの財産から除くこともできるため、仮に相続税の税率が30%であれば600万円の節税効果が見込めて有効的な対策かとも思えます。計算上は600万円の節税になるためとても良い制度に思えますが、下記理由によりそこまでの節税効果は見込めないのが実際のところだと考えています。

 

■相続で取得した場合、配偶者は1億6千万円までの財産に対してそもそも相続税がかからない。

→贈与しようとする人の財産額によっては節税効果がなくなります。

 

■相続で取得した場合、居住用不動産のうち土地については330㎡までの部分に対して8割減の評価額で配偶者に相続できる。

→小規模宅地等の特例が使える場合、1,500万円の土地でも300万円の評価額で相続することができます。

 

■余計な税金がかかる。

→居住用不動産を相続で取得した場合は不動産取得税がかかりませんが、贈与で取得した場合は土地に対して3%(軽減措置により現在は1.5%)と家屋に対して3%の不動産取得税がかかります。

また、登録免許税については相続により取得した場合は0.4%の税率で生じるのに対して贈与により取得した場合は2%の税率で生じます。贈与で取得した場合は5倍の登録免許税がかかることになります。

 

また、配偶者に贈与したとしてもその配偶者が先に亡くなってしまった場合は自分が相続で取得するという判断に至る方も多いと思われます(仮に自分ではなく子が相続した場合、取得者である子が売却した場合は居住場所がなくなってしまう懸念もありますので)。

 

贈与税がかからないので配偶者に不動産を贈与するという考えをお持ちの方もいらっしゃると思われますが、上記以外にも様々な面を検討してから実行するかしないかを決めた方が良いですね。

 

札幌市を含む北海道エリアで相続税に関するご相談はFUJITA税理士法人までお気軽にお問い合わせください。

 

執筆者:税理士 佐藤友一