事業を相続するための手続き

亡くなられていた方が事業を営んでいた場合、個人事業主であったのか、又は法人の株主であったのかによって必要な手続きが異なります。法人の株主であった場合には、事業用資産は法人所有であるため、株式の名義変更等を行えばいいのですが、個人事業主であった場合、個人資産だけでなく、事業用資産についても相続手続きをする必要があります。つまり、個人事業主である場合、事業用資産についても遺産分割協議の対象となるため、事業を引き継ぐ方が事業用資産を相続できない遺産分割となった場合、以降の事業継続が危ぶまれるため、注意が必要となります。

遺言書のすすめ

個人事業主に相続が生じた場合でも事業承継者が事業を円滑に承継できるよう、個人事業主は生前から準備をしておく必要があります。代表的な方法としては、遺言により、事業用資産については事業承継者が相続するよう明確にしておくことです。この際、自筆証書遺言の場合、不備があり遺言書の効力が無効となるケースが多いため、公証役場で公正証書遺言を作成することをおすすめします。公正証書遺言であれば、公証人により事前にチェックを受けることができ、法的有効性に間違いがなく、また公証役場に保管されるため、何らかの原因で紛失・破棄されることがないため安全です。

生命保険のすすめ

個人事業主が保有している財産の大部分が事業用資産で、事業承継者以外の相続人に相続財産が分配されない場合、事業承継者以外の相続人に不満が残ってしまいます。また、仮に遺言書がある場合でも、相続人には遺留分の減殺請求が権利として認められているため、事業承継者は自身の財産かやむを得ず事業用財産を他の相続人に渡すほかない状況に陥る可能性がでてしまいます。それらを防止するため、生命保険の受取人を事業承継者以外の相続人に設定しておくことをおすすめいたします。生命保険金は非課税枠(500万円×法定相続人の数)までは相続税の課税対象財産とならないため、節税対策としてもおすすめです。