税務調査で問題になりやすい論点③ ~名義株~

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名義預金が相続財産として相続税の申告対象となることは以前述べましたが、同じようなものに「名義株」と言われるものがあります。

名義株とは、その株式取得のための金銭は被相続人が拠出したものであるが、証券会社への登録は配偶者や子供の名義でされているもので、その配偶者や子供はその名義となっていることを知らない場合や知っていてもその運用や配当の受領は被相続人が行っている場合の株式のことです。

これらのケースについては被相続人と配偶者若しくは子供の間で贈与が成立しているとは判断されずに被相続人の財産と判断される可能性が非常に高いです。その株式の管理は被相続人が自ら行っており配偶者や子供はその株式を自分のものだと認識さえしていないケースもあるでしょう。

 

名義株は上場株式だけではなく非上場株式についても考えられます。

非上場株式とは「取引相場のない株式」と言われることも多い株式で、イメージとしては主に役員が親族だけの中小企業で代表取締役が被相続人、配偶者や子供が取締役となっている法人です。被相続人であるオーナーが自分の会社を設立するために資本金として1千万円を出資するときに、自分がお金を出しているにも関わらず子供名義で出資したことにして子供が株主となっているケースがこれに該当します。

上場しているわけではないため第三者が購入することは事業を譲渡するとき以外ほとんどありませんが、売却が容易ではないこの非上場株式についても相続財産として相続税の申告対象になっています。法人の申告書には株主名簿を作成することとなっていて、稀に複数の親族が株主となっている申告書を見ることもあります。その親族が実際に出資しているのであればもちろん問題ありませんが、これもその親族が知らないところで名前だけを使われているケースがあるためその株主となっている親族への聞き取りは欠かすことが出来ません。

 

名義預金と同様に名義株についてもその背景や経緯を確認し、何が正しいのかを慎重に判断して申告書を作成する必要がありますね。

 

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執筆者:税理士 佐藤友一

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