相続した実家の処分は計画的に~空き家特例について~

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既に自宅を所有されている方、賃貸住まいだが勤務先が実家と離れている方などなど、実家を相続された方でその処分に困っている方は多いのではないでしょうか。一般的には賃貸にだすか売却するかのいずれかだと思われますが、相続した土地・家屋を売却する際、売却金額が取得価額(亡くなられた方が不動産を取得した時の金額(相続税の取得費加算の特例については過去ブログをご参照下さい))を上回ると、その差額(譲渡所得)に対して約20%(長期の場合)又は40%(短期の場合)の譲渡所得税が発生します。今回はその高額な税率がかかる譲渡所得を減額してくれる可能性がある空き家特例についてみていきます。何も調べないまま売却してしまった後では適用を受けられない可能性があるため、相続した実家を処分する際はご注意ください。
 

< 空き家特例制度の概要 >

相続開始日から3年を経過する日の属する12月31日までに、亡くなった方が住んでいた家屋を相続した相続人が、その家屋(耐震性のない家屋は耐震リフォームをしたものに限り、その敷地も含みます)又は家屋を取り壊した土地を譲渡した場合に、その家屋・土地の譲渡所得から3000万円を特別控除することができるという制度です。
つまり、30年前に1500万円で購入した不動産を相続し4000万円で売却した場合、通常なら譲渡所得2500万円(4000万円▲1500万円)に対して約20又は40%の税率がかかりますが、空き家特例が適用できれば譲渡所得が発生しないので(2500万円<3000万円)、そもそも税金が発生しないことになります。
 

< 適用要件 >

空き家特例制度の大まかな適用要件と注意点を下記記載します。
①相続開始直前において亡くなられた方以外に住んでいた方がいないこと
②昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
③区分所有建物登記がされている建物でないこと
④相続開始日から譲渡の日まで事業の用、貸付の用又は居住の用に供されていないこと
相続した後に人に貸し付けていたり、相続人がそのまま住んでいた場合は適用を受けられなくなります。ただし、遠方の相続人が遺産整理等で短期的に使用している場合は問題ないことがほとんどなので、詳細は「被相続人居住用家屋等確認書」を発行する市区町村にご相談ください。
⑤相続開始日から3年を経過する年の12月31日までに譲渡すること
⑥家屋を取り壊さずに譲渡する場合はその家屋が新耐震基準に適合するものであること
 
 
以上で記載した適用要件は一例のみとなります。実際の適用要件に1つでも該当しないと3000万円控除を受けられません。特に家屋付きの土地を売却する際に該当する家屋が耐震性のある家屋であるケースは少ないと考えられるため注意が必要です。
実際に制度の適用を考える際はご自身できちんと調べるか、税理士等へご相談されるのがいいでしょう。
相続した家屋・土地を売却する際はしっかりと計画をたてられることをお勧めいたします。
 
執筆者:関口達也