貸付金等の金銭債権の評価方法
今回は、貸付金・売掛金・未収入金・証券会社への預け金など、金銭債権の評価方法についてお話しさせていただきます。
貸付金は個人への貸付金のみではなく、会社の経営者が自分の会社に貸し付けている場合なども含まれます。
金銭債権の評価は「元本の価額+利息の価額」であり、前回の定期預金と同じように利息を加味して評価します。
元本の価額とは、回収するべき金額や返済されるべき金額。残高のことです。
利息の価額とは、課税時期現在における既経過利息のことです。
では、具体例で考えてみましょう。
「500万円を1年後に利息と一緒に一括返済してもらう」という条件で金銭を貸し付けていたが、貸付日から120日後に亡くなってしまった場合を想定します。
貸付金 5,000,000円
利率(年) 3%
既経過日数 120日
- 元本の価額
- 5,000,000円
- 利息の価額
- 5,000,000円×3%×120日÷365日=49,315円
- 評価額
- 5,000,000円+49,315円=5,049,315円
なお、金銭債権の評価を行う場合に、その債権金額の全部又は一部について会社更生手続の開始の決定など一定の事実が発生しているときは、それらの金額は元本の価額に算入しないこととされています(評基通205)。
執筆者:矢部