障害者控除の要件と計算方法
相続人の中に障害者の方がいる場合には、一定額を相続税から控除することができます。
これを「障害者控除」といい、障害者への日常生活への負担を軽減する目的で設けられている制度です。適用要件や控除額を確認していきましょう。
この記事を読んでわかること
・適用要件
・一般障害者、特別障害者の範囲
・控除額の計算方法
なぜ必要なのか?
この制度の目的は、相続発生後の障害者への経済面の配慮が背景にあります。
障害者は健常者に比べて日常生活への負担が生じることが多いため、その負担を軽減する目的です。
具体的な内容
■適用要件
次の4つの要件を満たす必要があります。
・日本国内に住所があること
・障害者であること(一般障害者と特別障害者)
・法定相続人であること
・85歳未満であること
■一般障害者、特別障害者の範囲
障害者控除の対象者は「一般障害者」と「特別障害者」に分かれ控除額も異なります。
主なものは次の通りです。
【一般障害者】
・身体障害者手帳上の障害等級が3級~6級
・精神障害者保健福祉手帳上の障害等級が二級又は三級
【特別障害者】
・身体障害者手帳上の障害等級が1級または2級
・精神障害者保健福祉手帳上の障害等級が一級
■控除額
障害者控除の額は、「満85歳になるまでの年数×10万円(一般障害者)or20万円(特別障害者)」です。
例えば一般障害者である相続人が55歳4か月である場合は85歳になるまで24年8カ月あります。
1年未満の期間は切り上げで1年としますので、この場合は25年とカウントします。
したがって25年×10万円 =250万円が相続税から控除されます。
メリット・デメリット
・「満85歳になるまでの年数×10万円(一般障害者)or20万円(特別障害者)」の控除が受けられる
・将来の日常生活等への負担が軽減される
まとめ
・障害者控除を受けるには4つの要件がある
・等級により「一般障害者」と「特別障害者」に区分される
・控除額は、「満85歳になるまでの年数×10万円(一般障害者)or20万円(特別障害者)」