相続税申告で忘れがちな財産について

相続税の申告で気を付ける事の一つは財産の漏れです。特に忘れてしまいがちなものをいくつかご説明いたします。

〇火災保険等の損害保険
　　ご自宅を持っている方や賃貸物件を所有している方などは、火災保険等に加入していると思います。火災保険には、掛け捨てのものや積立式のものがありますが、掛け捨てだとしても1年分又は数年分の前払をしているケースがほとんどです。この前払部分が財産となる事があります。保険会社に問合せし、亡くなられたタイミングでの評価を確認する必要があります。

〇書画骨董絵画など
　　先祖から受け継いだものや趣味などで集めているものに価値がある場合は別途評価をする必要があります。また、高級時計やブランドもの、ピアノやヴァイオリンなどの高価な楽器なども財産となる事があります。

〇還付金など
　　役所で亡くなられた際の手続をした後に還付金が入金されることがあります。例えば払いすぎていた住民税等や高額療養費などの還付金です。これらは、入金までに亡くなってから3カ月～４カ月かかることもあり、金額の代償に関わらず亡くなられたからの財産となります。

〇山林や原野など評価の低い不動産
通常、不動産を所有していると毎年固定資産税がかかってきます。ただ、山林や原野など、評価の低い不動産を持っている場合、固定資産税がかからず納税通知書がこないことがあります。そうすると、亡くなられた本人しか所在が分からない不動産が残ってしまうこともあります。その為、生前にそのような不動産が無いか聞いておくことが必要になります。なお、不動産の所在地がわかればその所在地の役所に問合せすることにより不動産の有無を確認することができます。

以上のように、細かな財産でもしっかり把握しておかないと、相続税の申告や遺産分割がスムーズにいかない場合があります。

相続に関するご相談や相続税については、札幌を含む北海道エリアで相談対応をしているFUJITA税理士法人へお問合せ・ご相談ください。

執筆者：阿部　拓未