相続対策としての暦年贈与。生前贈与加算により相続財産に計上されないためにはどうすればいいか。
亡くなった日(相続開始)前3年以内に被相続人(亡くなった方)から相続人に対して行った贈与は生前贈与加算(3年内加算ルール)で相続財産に計上する必要があります。
逆にとらえれば、亡くなった日から3年より前にされた贈与は相続財産に計上しなくてもいいことになります。
贈与を受けた者がその年中に受けた贈与額が110万円以下であれば贈与税は発生しないため、計画的な贈与を早めに開始することによりかなりの財産を非課税で配偶者や子に渡すことが可能となります。
この記事を読んでわかること
亡くなった日から3年より前にされた贈与は相続財産に計上しなくてもいいことになり、また、贈与を受けた者がその年中に受けた贈与額が110万円以下であれば贈与税は発生しません。計画的な贈与を早めに開始することによりかなりの財産を非課税で配偶者や子に渡すことが可能となります。
具体的な内容
下記の場合、亡くなった日前3年以内の贈与は①②となり、合計800万円は相続財産に加算されますが、亡くなった日から3年より前にされた贈与である③~⑨の合計2,800万円は相続税・贈与税を支払うことなく相続人に渡すことができます。
相続税率が30%の場合、840万円(2,800万円×30%)の節税に成功したこととなります。相続対策は計画的かつ早めの対策がとても大事であることがわかります。
(例)
亡くなった日:平成30年7月7日
法定相続人:配偶者(妻)、子×3人
生前贈与の実行年月及び評価額
①平成29年4月、株式100万円×4人
②平成28年4月、現金100万円×4人
③平成27年5月、現金100万円×4人
④平成26年2月、現金100万円×4人
⑤平成25年8月、現金100万円×4人
⑥平成24年4月、現金100万円×4人
⑦平成23年2月、現金100万円×4人
⑧平成22年4月、株式100万円×4人
⑨平成21年8月、現金100万円×4人
メリット・デメリット
・亡くなった日から3年より前に相続人にされた贈与は相続財産に計上しなくてもいい
・贈与を受けた者がその年中に受けた贈与額が110万円以下であれば贈与税は発生しない
・計画的な贈与を早めに開始することによりかなりの財産を非課税で配偶者や子に渡すことが可能となる